巡回要領とは、巡回時間や巡回ルート、留意事項などをまとめた、警備業務に欠かせない資料のことです。施設警備では、この巡回要領をもとに業務を進行するのが一般的です。この記事では、巡回要領の概要のほか、巡回要領の作成や巡回業務を効率化する方法についてご紹介します。
施設警備の巡回業務・巡回要領とは?
施設警備の巡回業務の概要や、巡回要領の用途や役割をご紹介します。
施設警備の巡回業務とは?
施設警備の巡回業務とは、警備員が施設内を定期的または不定期に巡回し、不審者の侵入や異常がないかを確認する警備業務です。施設警備の概要について解説します。
警備業務の区分
警備業務には以下のような区分があります。まずは、区分についておさらいしておきましょう。
【1号業務】
1号業務は施設警備を主とする業務です。以下のような業務が該当します。
・施設内の常駐警備
・定期的な巡回警備
・出入管理業務
・防災・防犯対策
・受付・案内業務
・監視カメラのチェック
・夜間警備
【2号業務】
2号業務は主に屋外で行われる警備業務です。主に以下の2つに分類されます。
・交通誘導警備業務:工事現場や駐車場での車両誘導、通行人の安全確保
・雑踏警備業務:イベント会場や祭りなどでの群衆整理、事故防止
【3号業務】
3号業務は貴重品運搬警備業務です。現金や貴重品を安全に輸送する業務を指します。
【4号業務】
4号業務は身辺警護業務、いわゆるボディーガード業務です。要人の警護や身の安全を確保する業務を行います。
施設警備の巡回業務とは?
施設巡回業務は、1号業務に含まれる重要な警備活動です。施設内を定期的に見回ることで、盗難や火災などの事故を未然に防ぐことを目的としています。巡回警備員の主な役割としては以下があります。
・巡回経路の確認
警備員は、事前に定められた巡回ルートを確認します。巡回ルートを把握するために、事前確認を行います。
・点検箇所の確認
各巡回ポイントで、異常がないかを注意深く目視で確認します。
・迅速な対応
万が一、被害や異常が発生した場合、警備員は迅速に対応し、被害を最小限に抑えるよう行動します。初期消火活動や緊急連絡なども含まれます。
・報告書の作成と提出
巡回が完了したら、警備員は詳細な報告書を作成し、上司や関係部署に提出します。この報告書は、施設の安全管理における重要な記録となります。
施設警備の巡回要領とは?
施設警備の巡回要領とは、巡回業務に必要な情報をまとめた資料のことです。巡回要領には、以下のような内容が含まれています。
・巡回ルート
・巡回計画(巡回時間や頻度など)
・実施方法(施設巡回の場合は徒歩)
・確認項目(不審人物・火災の有無・照明器具の状態など)
・報告・記録方法(チェックシート・スマートフォンによるタッチ記録など)
・その他の留意事項(服装・姿勢・態度・緊急時の連絡先など)
巡回要領は、施設の特性に合わせて作成され、警備員はこれに従って巡回業務を実施します。巡回要領の内容を覚えて、それに合わせて業務を行うため、各警備員が理解しやすいようにわかりやすく作成することが大切です。
施設警備の巡回を効率化する方法は?
施設警備の巡回を効率化するためには、以下のような方法があります。
巡回要領を見やすくわかりやすくする
巡回要領を見やすくわかりやすく作成することで、警備員が内容を理解しやすくなり、効率的に巡回が行えるほか、ミスを防ぐことができます。
「重要ポイントを箇条書きで明確に提示する」「専門用語を最小限に抑え、平易な言葉で説明する」といったポイントに注意して作成しましょう。
また「タブレットやスマートフォンで閲覧可能なデジタルマニュアルを作成する」「マップや写真を活用し、視覚的に理解しやすくする」といった巡回要領のデジタル化も効果的です。
巡回ロボットや防犯カメラによる自動化
巡回ロボットやAIを搭載した高性能な防犯カメラを導入することで、巡回業務の一部を自動化したり、遠隔監視体制を構築したりすることができます。
巡回ロボットとは、プログラミングされたルートに沿って自動巡回するロボットのことです。AIを活用した異常検知機能などが搭載されていれば、待機している警備員にアラートが届き、状況を確認したり現場に警備員を向かわせたりすることができます。
AIを搭載した高性能な防犯カメラは、高解像度カメラと AI 分析技術を組み合わせものです。複数拠点にこのようなカメラを設置することで、遠隔監視が可能になり、巡回を行わずとも警備が行えます。また、複数拠点を同時監視することもできます。
このような巡回業務の自動化を行う際は、アラート発生時の対応をまとめておくことが大切です。そうすることで、警備員のパニックやミスの発生を予防できます。
警備記録システムによる巡回業務の効率化
ロボットや防犯カメラの導入が難しい場合は、巡回のチェックポイントにICカードを設置し、スマートフォンをタッチするだけで警備記録が行える警備記録システムの導入がおすすめです。手動記録からICカードに変更することで、上下番や巡回記録業務を大幅に効率化できます。また、スマートフォンから巡回報告もスムーズに完了できます。
このような警備記録システムのメリットは、巡回業務だけでなく、勤怠管理や給与管理といったバックオフィスの効率化に効果的な点です。ICカードで記録された勤怠データは、クラウドを介してシステムで一元管理でき、データをもとに給与計算を自動で行うこともできます。
ICカードにスマートフォンでタッチするだけのため、デジタルに慣れていない警備員でも簡単に覚えることができ、導入後の運用もスムーズでしょう。警備記録システムは、ロボットや防犯カメラの導入よりも低コストでありながら、大幅な業務改善効果を見込むことができます。
施設警備の巡回業務を大幅に効率化!導入も簡単なワンタッチ警備記録システム パトログ
ソニーのワンタッチ警備記録システム「パトログ」は、警備業務の効率化に効果的なシステムです。巡回ルートにカードを設置し、スマホでタッチ&タップするだけで簡単に警備報告が完了。また、警備業務のさまざまな業務を効率化する、以下のような機能も搭載しています。
・スマホをICカードに「タッチ」するだけ簡単なユーザーインターフェース
・どんな場所にも設置可能。現場に必要なものはICカードだけ
・勤怠(上下番)報告、記録、管理など警備会社の手間を削減する勤怠管理システム
・クラウド上でデータ共有ができ、リアルタイムで状況を把握できる「リアルタイムモニタリング機能」
・管理者の負荷を軽減する「自動アラート機能」
データをクラウド上で共有でき、警備員の状況をリアルタイムで確認できるのもポイント。記録したデータを請求書や巡回報告などの作成に活用することも可能です。上下番などの警備業界向けの勤怠管理システムも搭載しており、勤怠(上下番)報告、記録、管理の手間を大幅に削減できます。施設の巡回業務を効率化したいという方は、導入も設置も運用も簡単な、ソニーのワンタッチ警備記録システム「パトログ」の導入をご検討ください。
製品情報:ワンタッチ警備記録システム パトログ
まとめ
施設警備の巡回要領とは、巡回業務に必要な情報をまとめた資料のことです。警備員は巡回要領の内容を踏まえて業務を行うため、正確かつ効率的に巡回するには、この資料をわかりやすく作成することが大切です。また、ご紹介したように施設警備の巡回業務を効率化する方法はさまざまです。巡回要領のデジタル化のほか、警備記録システムの導入なども検討してみてください。