株式会社 アサヒファシリティズは、施設の設備管理や警備、清掃などを行う竹中工務店グループの建物維持管理会社です。
同社の警備業務を担当する建物管理サポートセンターは、受託施設で勤務する警備員の上下番報告や勤怠管理の業務効率化に、ソニーのワンタッチ警備記録システム「パトログ」を導入しました。
そこで今回は、警備管理課の児玉賢一さんと西田利嗣さんに「パトログ」の導入の背景や導入後の効果について詳しくお聞きしました。
設備不要・工事不要で必要なのはスマホとカードだけ!
派遣先が多岐にわたる警備、ビル管理の勤怠管理にも最適

――パトログ導入の検討をはじめた背景、当時の課題について教えてください。
警備業は、「決められた勤務時間・場所に確実に警備員を送り届ける」のが契約履行の必須条件となる業務です。そのため、管理側は上下番報告と呼ばれる出退勤管理を行い、遅刻などが発生していないかを正確にチェックしなければなりません。
弊社はこれまで上下番報告を電話で行っていましたが、出退勤時は80件を超える契約施設から電話報告が集中し、管理側は「電話を取りきれない」、警備員は「話し中によるかけ直し」といった課題が頻発していました。
特に管理側の負担が大きく、一人は専任、一人はサポートで朝夕それぞれ1.5~2時間はつきっきりという状態が慢性化。このような業務負担を軽減するために、2024年の1月頃に上下番報告を自動化できる勤怠管理システムの導入を検討し始めました。
――どのような勤怠管理システムを比較検討しましたか?
上下番の報告が自動化できるシステムを5~6個ピックアップして、比較検討を行いました。
これらは出退勤から給与計算まで自動化できる多機能なシステムでしたが、工事が必要だったり、導入数を増やすとコストが高くなったり、自分たちの業務形態に合ったシステムではありませんでした。
また、しばらくは自家製のExcel表に電話を受けながら入力するといった「データ化」も試みたのですが、電話対応の課題は解決できず、行き詰まっていました。
――ソニーのパトログを知ったきっかけと、選んだ決め手について教えてください
パトログを知ったきっかけは社内掲示板ですね。コストが低く、柔軟性の高いシステムを探しているときに、社内の掲示板で見かけて、どのようなシステムなのか興味を持ちました。
詳しく調べてみると、「タイムカードのような機械・電源が不要。電話料金などの通信費もほぼかからず、現場の負担や、管理の負担が軽減できる」と、求める要素を満たしたシステムであることがわかりました。
電源や工事が必要なシステムだと担当する物件が増えたり減ったりする度に工事が必要になりますが、パトログならカードを設置するだけなので、状況に合わせて柔軟に対応できますし、ランニングコストも大幅に抑えられます。
導入や操作が簡単かつ低コストで行える「パトログ」は、多くの施設・警備員を抱える私たちにぴったりなシステムだと感じ、導入を決めました。
■リアルタイムなデータ化で管理側・警備員の負担を軽減!
自動アラート機能で、瞬時に事態を把握

――パトログをどのように利用されていますか?可能な範囲で教えてください。
2024年の9月からパトログを導入し20施設でテスト導入を開始しました。施設に設置したカードにスマホをタッチして上下番報告を行ってもらい、勤怠管理を自動化しています。
――導入の効果はいかがでしょうか?
導入を行った施設に関しては、出退勤時の電話報告がなくなり、処理が自動化されました。管理側の「電話を取りきれない」、警備員側の「話し中によるかけ直し」といった課題が解消され、導入の効果を感じています。
またテスト導入の段階で、すべての施設に導入すれば、「上下番報告の完全自動化を実現できる」という手ごたえを感じ、2025年9月からは、全施設での導入を開始しました。
――電話のすれ違いといった課題の解決のほか、「パトログ」導入の効果を感じた点はありますか?
管理側の業務負担を大幅に軽減できるという点ですね。
これまでは、「電話を受ける→名前と施設名を伝えてもらう→施設名を探して記録する」といったプロセスがあったのですが、「パトログ」であれば、現場の警備員がタッチするだけでリアルタイムに自動でデータ化が完了します。

また、予定の時間までに上下番報告がなかった際には「自動アラート機能」でモニターに赤ランプが表示されるので非常にわかりやすく、瞬時に事態を把握して対応できます。
――上下番報告を行う警備員の方からの評判はいかがでしょうか?
最初は「なぜ変えるの?」といった意見もありましたが、「話し中による電話のかけなおし」といった手間が解消されたことで、警備員のみなさんからもポジティブな声が聞かれるようになりました。
また、警備員の中にはご高齢な方も在籍しており、スマートフォンの操作に慣れていなかったり、新しい作業を覚えることに抵抗をお持ちだったりするケースもありますが、現場で使い方(スマートフォンをカードにかざして、表示された画面のボタンを押すだけ)を実演すると、「これならすぐに覚えられる」と抵抗なくスタートできました。
「パトログ」は、操作性がシンプルで誰にとっても使いやすいシステムだと思いますね。
――このほか、「パトログ」を導入してよかったと感じる部分があれば教えてください。
一番は、「システムを導入して終わり」ではなく、私たちに向き合いながら、システムのアップデートを親身にサポートしてくれるところですね。
先ほどお伝えしたアラート機能についても、「もし可能であれば、見逃しを防ぐために音を出したい」という要望をお伝えしたのですが、柔軟に対応いただき、現在実装に向けて開発を進めていただいています。
導入するシステムによっては、このような機能追加が難しいケースもありますし、「ある程度ドライなコミュニケーションになっても仕方がない」と割り切っている部分もあったのですが、ソニーさんはいつも期待以上のアクションで応えてくれます。
既存の機能だけでも十分に満足の行く効果を得られていましたが、ここまで私たちに向き合い、サポートしてくれるとは思ってもいませんでした。上下番報告の自動化についてはもちろんですが、管理業務全般のDX化で頼りになる、心強いパートナーを見つけることができたと感じています。
人の配置が必要な他事業への横展開にも応用可能! 安心、柔軟、シンプルな「パトログ」でさらなる自動化を

――今後、新たな場所や用途でパトログを利用される予定はありますか?
当社は警備だけでなく、施設の維持管理に関するさまざまな事業を行っているので、これまでアナログ(電話や手作業による記入)な方法で行っていた報告・連絡業務に広く応用できると感じています。
QRコードだと不正にコピーできてしまうところが、ICカードの場合は不正ができない点において、たとえば清掃や工事の立ち合いなど、時間管理ベースの報告をデータ化し、それを元に帳票を作るなどの活用にも期待できそうです。
――今後のシステム展開と、「パトログ」への期待がありましたら教えてください
出退勤が自動化できたことで、「カードにタッチした際に、個別の業務連絡やメッセージを表示する」「深夜警備の生存確認に活用する」など、さまざまな機能追加や活用方法が考えられます。
「パトログ」独自のシンプルな使いやすさを損なわない範囲で、今後もさまざまな活用方法を模索し、自動化や効率化につなげていきたいと思います。