ABWとは、働く「場所」と「時間」を自由に選ぶことができる働き方を意味します。
ABWとフリーアドレスは、似ているようで少し違います。
フリーアドレスは、空席を自由に利用することができますが、オフィスの中で働くことを前提としています。
一方、ABWは出社する必要性がないので、自宅やカフェ、レンタルスペースなど好きな場所で仕事に取り組むことができます。
ABWに対して、かなり自由で新しいワークスタイルと感じるかもしれません。
この章ではABWでメリットを感じやすい組織の特徴を紹介しているので、自社とマッチするかどうかを考えながら、読み進めてください。
仕事内容がABWに適している
自席の使用頻度が少なかったり、オフィスの外でも仕事ができる職種はABWの導入に適しています。
(例)
● オフィス外にいることが多い営業職
● オフィス内の移動が多いマーケティングやコンサルタント
● クリエイティブ系やプログラマーなど、どこにいても仕事ができる職種
一方で、機密情報を扱う組織や、持ち運びができない機械を使用する研究・開発・製造などの職種はABW向きではありません。
変化に柔軟な社風
日本においてABWは、導入している企業が少なく、まだまだ発展段階にあります。
社員がABWをはじめとする多様な働き方に馴染めるよう、企業側のサポートが不可欠です。
ABWは、そのような「より働きやすい環境を整備したい」というチャレンジ精神がある組織向けの働き方です。
関係性が良好
部署やチームをはじめとする社内の関係性が良好だと、働く場所や時間が違ったとしても、今まで通り連携を図ることができます。
社員のITスキルが一定のレベルにある
ABWを実施するには、オフィス内外を問わず仕事ができるITツールが不可欠です。
企業側のフォローも重要ですが、社員のITリテラシーがある程度高いと、ABWの導入が比較的スムーズになるでしょう。
従来の働き方と比べて、社員の裁量が大きいABW。
導入によって得られるメリットについて説明します。
仕事に集中できる環境は人それぞれで、カフェなど、多少のノイズがある環境を好む人もいれば、無音の環境を好む人もいます。
ABWの運用下では、社員が自分の性格だけでなく、その日の気分や体調、業務内容に適した時間と場所を選ぶことができるので、生産性とやる気の向上が期待できます。
ABWは、社員全員の出社を前提としません。
デスクやチェアといった備品コストや、空いたスペースの賃料、使用頻度の少ないエリアの光熱費などを抑えることが可能です。
在宅勤務や自宅付近の施設で仕事をすることによって、通勤時間を大幅に減らすことができます。今まで通勤に割いていた時間を、プライベートや睡眠、スキルアップの勉強に充てることができるため、社員満足度の向上や、ワークライフバランスが実現します。
在宅勤務や自宅付近の施設で仕事をすることによって、通勤時間を大幅に減らすことができます。今まで通勤に割いていた時間を、プライベートや睡眠、スキルアップの勉強に充てることができるため、社員満足度の向上や、ワークライフバランスが実現します。
働く場所と時間を自由に選択できるワークスタイルは非常に魅力的です。
まだ日本では新しいABWを取り入れた場合、「働きやすい」「社員を大切にしている」「慣習にとらわれず、柔軟に変化できる」など、企業のイメージアップが期待できます。
人手不足に悩む企業が多い中、魅力的な企業は応募者も自然と増えるので、優秀な人材を獲得しやすくなります。
毎日同じ時間に同じ場所で仕事をしていると、いつの間にか惰性的になってしまうこともあるでしょう。
ABWのような働き方を取り入れることで、環境に変化を生み出し、新たなアイデアや発見が生まれやすくなります。
コストダウンや社員のやる気・満足度の向上など、プラスの要素が多いABWですが、もちろん課題も存在します。
マイナス要素とその対策をしっかり押さえた上で、導入を検討しましょう。
ABWのスタイルでは、社員がいつ、どこで、どんな仕事に取り組んでいるかといった労務管理と勤怠管理が難しくなります。
対策として、ABW導入に対応した新しい勤怠管理や人事評価のルール整備を行いましょう。
社員を適切に、そして簡単に管理するため、専用のツールやアプリの導入がおすすめです。
社内制度の見直しやITツールの導入など、どうしても初期費用がかかってしまいます。
長期的には大きなコスト削減につながるので、会社の規模や目的に合わせて計画的な導入準備を行いましょう。
仕事用のモバイル端末をオフィス外へ持ち出す機会が増えるため、紛失や情報漏洩のリスクが発生します。
セキュリティ体制の見直しや強化、社員への教育などを施すことが対策となります。
従来の「固定の時間に固定の場所で」働くスタイルとABWとのギャップは大きなものです。そのため、ABWのスタイルが社員に浸透せず、以前と変わらない働き方に戻ってしまうケースがあります。
ABWを導入する目的やメリットを積極的に社員に伝え、制度の浸透に努めましょう。
ABWを導入する流れを6フェーズに分けて解説します。
スムーズに、そして効果的にABWに移行するための参考にしてください。
目的の設定は、ABWを形骸化させないために大切なステップです。
● なんのためにABWを導入するのか
● ABWからどのようなメリットを得たいのか
など、自社の現状や課題と照らし合わせ、目的を言語化しておきましょう。
社員全員が働きやすいと感じる環境づくりに必要なポイントです。
オフィス内の働き方を調査し、従来の働き方に関する課題や社員のニーズを洗い出しておきましょう。
その日の気分や仕事内容に適した環境を選べるよう、オフィス内のレイアウトを設計しましょう。
目的に応じた空間を用意しておくと、社員のニーズを満たすことができます。
(例)
● 1人で集中するための静かな個室
● 音漏れに配慮したミーティング用スペース
● コミュニケーションを目的としたカフェエリア
● 休憩用のスペース
また、導線の確保やセキュリティ対策なども考慮する必要があるため、専門知識のある企業へのサポート依頼などを検討しましょう。
前述のとおり、ABWには労務と勤怠の管理が難しくなるといった課題があります。
課題を克服するため、従来の制度から、ABWに対応した勤怠管理と人事評価へとバージョンアップしましょう。
ABWをサポートするツールやアプリを利用するのも手段のひとつなので、おすすめのツールを次の章で紹介します。
また、在宅勤務をする社員へのテレワーク手当など、新たな福利厚生も検討する必要があります。
オフィス外からでも社内ネットワークにアクセスできる環境の整備が必要です。
モバイル端末の支給や、自社に適したシステム方式を導入し、どこにいても安全に、安定して仕事ができる環境を整えます。
また、人事や経理関係の仕事をオフィス外で行う際の不正対策も検討しましょう。
並行して、社員に対するセキュリティ研修を行うことも大切です。
明文化されたルールとABW対応の環境が準備できたら、それらを社員に通達します。
社員全員が漏れなく把握できるよう、説明会を開催したり、いつでも内容を参照できるような工夫をします。
社内周知が徹底されたのちに、実施のフェーズへと移行します。
ABWの導入には、社員を適切に管理できる座席管理システムの活用が重要です。
● 出社している社員を把握したい
● 座席管理などのツールはシンプルな操作だと嬉しい
こうしたニーズに応えるのが、ソニー株式会社「座席管理ソリューションSEATouch」です。
カードにタッチするだけの簡単登録など、ABWの導入・運用をサポートします。
SEATouchのカタログやお役立ち資料は以下からご覧いただけます。
ソニー株式会社 | FeliCa | 座席管理ソリューションSEATouch
フレキシブルなワークスタイル「ABW」。
働く場所と時間を自由に選ぶことができるABWは、企業の働きやすさを底上げします。
働き方の多様性が推進されている今、導入している企業の魅力は増すばかりです。
多くのメリットが得られる反面、残されている課題もあります。
ABWの課題を克服してくれるツールやアプリを活用し、自社に適した導入方法を検討してみてはいかがでしょうか。